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自作小説【目】

 

自作小説【目】

 

今私はとても目が痛い。

 

「痛いっ!!!!」

 

と叫ぶほどの痛さではないが、それでも確かに目が痛い。

 

きっと昨日のあのことが原因だろう。

 

遡ること十四時間前・・・

 

***

 

「美香!危ない!」

 

学校からの帰り道、隣を歩いていた友人の佐奈が私に叫んだ。

 

「え?なん・・・」

 

何のことか分からず佐奈に問いかけようとした瞬間、目に激痛が走り、私は思わず目を手で覆った。

 

「痛い!!!痛い!!!」

 

その時はかなりの大声だったと思う。

 

「美香、大丈夫!?」

 

あまりの痛さに私はその場にしゃがみこんでしまい、持っていた通学カバンをどさっと地面に落とした。

 

それからは大変だった。

 

あまりに私が痛がるでの、佐奈は救急車を呼び、私は病院に連れていかれた。

 

その時に、救急隊員が大袈裟に私を担架に乗せるもんだから、周りで見ていた通行人の人達が騒ぎ出して、通りが一気に活気づいてしまった。

 

それに病院では変な光を浴びせられるわ、両目に包帯を巻かれるわで、大火事から生還した人みたいになってしまった。

 

後から両親が病院に来て、医師と何か話していた。

 

それから何時間か経って医師はこう言った。

 

「もう大丈夫ですよ、数日は痛むと思いますがもう除去しましたので。」

 

除去という言葉が引っかかるが、無事に包帯も取れ、家にも帰ることも出来たので事態は一件落着したらしい。

 

***

 

そして現在。

 

医師の言葉通り、私は目に痛みを感じている。

朝日を浴びれば治るかなと思いカーテンを開けるも、効果無し。

 

むしろ少し痛みが増したような気がする。

 

朝からずっとスマホで原因を調べているが、これといって情報もない。

 

仕方ない・・・佐奈に電話するか・・・

 

私が目に激痛を覚える直前、佐奈は私に危ない!と言っていた。

つまり、彼女なら何か知っているかもしれない。

 

しかし、私はかなり電話が嫌いだった。

特に理由はないが、顔の見えない相手と話すことが何か嫌だったのだ。

 

『もしもし、私だけど・・・』

 

そんなことを考えているうちに佐奈の声がスマホから聞こえてきた。

 

「あ、佐奈。昨日のことで聞きたいことがあって・・・」

 

『聞きたいこと?それより、目はもう大丈夫なの?』

 

「うん。痛みはあるけど、除去したって。」

 

何を除去したのかは分からないが・・・

 

『そう・・・なら良かった。さすがにあれはヤバイもんね。』

 

「そ、そうなんだ?で、そのあれってなんなの?」

 

『え?あれはあれよ・・・分かるでしょ?』

 

記憶をかなり昔まで掘り返してみるも、思い当たるものが一つもない。

 

『あ!美香ごめん、お母さんが呼んでる・・・また後でね。』

 

「ちょ・・・佐奈・・・」

 

ツーツー。

 

「切れたか・・・」


あれってなに!?